自家がんワクチン療法
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自家がんワクチン療法
卵巣がんの治療実績と症例


 2008年6月末時点までに自家がんワクチン療法を受診された卵巣がん症例のうち、経過報告があった症例についてソフトクライテリアの観点から評価した治療成績を以下にまとめました。

 評価済み症例中40%で、臨床的に見てなんらかの改善効果(改善例 + 1年以上の長期不変・長期無増悪例)が見出されております。ソフトクライテリアは、学術的にみて厳密な評価基準(ハードクライテリア)とは異なるものですが、参考にしていただければ幸いです。

ハードクライテリアの観点からみた臨床効果については → こちらです

ハードクライテリアソフトクライテリアとは? 解説は → こちらです

 

がん種

全症例数 評価済み
症例数
1)
改善例数
無効例数
改善率1 転帰不明追跡不能 改善率2 経過観察中
6)
改善
2)
長期不変・無増悪
(1年以上) 3)
無増悪
(6ヶ月以上1年未満)
無効
改善例数+無効例数中
4)
転帰不明も無効とした場合 5)
卵巣
31
10
1
3
1
5
40%
8
22%
13
注)

1)

評価済み症例には投与中止はない
2)
残存腫瘍サイズ縮小、腫瘍マーカー減少、推定余命より2倍以上の延命、QOL(KPS評価)の明らかな改善等の数値化できる指標のいずれか; 主治医の評価による何らかの臨床上の好ましい反応
3)
長期不変・無増悪 (ワクチン投与後1年以上無再発あるいは無増悪)
4)

(評価済み症例数から+転帰不明追跡不能例、投与中止例を除いた数を分母にとったとき)

改善率1
=改善例数/(改善例数+無効例数)

5)

(転帰不明追跡不能を全例無効と仮定した場合)

改善率2=改善例数/(改善例数+無効例数+転帰不明追跡不能)

6)
ワクチン投与後1年未満


<代表的症例>

〔症例0240〕
  大型嚢腫切除、腹水中に明細胞癌。腹水貯留・腸閉塞・がん性腹膜炎により死亡の危険が2〜3ヶ月で起こる可能性大との主治医診断。本人は化学療法を忌避、自家がんワクチン療法を選択。 術後5ヶ月以上(自家がんワクチン接種後、4ヶ月以上腹水貯留なし。その後腹水貯留を認めるも無治療で経過、苦しくなってから腹水抜去、間歇的に低用量化学療法開始。電車で外出できるまでに回復。この間、抗癌剤1/3量で1クール終了、腹水も無くなった。ワクチン後22ヶ月経過するも元気であったが、以後再増悪、28ヶ月後死亡。

〔症例0319〕
 2006.03自家がんワクチン接種、07.08時点(1年5ヶ月経過)で無再発。

〔症例0319〕
 
2006.08自家がんワクチン接種、08.08時点(2年1ヶ月経過)で無再発。

〔症例0378〕
 
明細胞癌で再発必至と自己診断(医療従事者のため)。2006.09自家がんワクチン接種、08.04時点(1年7ヶ月経過)で再発無く経過順調。